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【相続ブログ】相続税申告の現場から見た「使える遺言・使いにくい遺言」
こんにちは。
福岡・佐賀・長崎の相続専門税理士 ソロソロ相続です。
相続税申告の現場では、「遺言があって助かった」というケースもあれば、「遺言があるのに手続きが進まない」というケースもあります。その違いは、遺言の有無ではなく、内容が実務に合っているかどうかにあります。
使える遺言の特徴の一つは、財産の特定が明確であることです。「自宅を長男に相続させる」と書かれていても、同じ敷地に複数の建物がある場合や、土地と建物の名義が異なる場合には解釈で迷うことがあります。不動産は登記簿どおりに記載されている遺言の方が、申告・登記ともにスムーズです。
次に重要なのが、相続税を支払うことまで想定されている遺言です。預金をほとんど配分せず、不動産ばかりを相続させる内容だと、相続税の納税資金が不足し、結局売却を迫られることもあります。使える遺言は、税金を「誰が」「どの財産で」負担するかまで考えられています。
一方、使いにくい遺言で多いのが、「気持ち」を優先しすぎた内容です。「長年世話をしてくれたから多く渡したい」という思い自体は自然ですが、遺留分への配慮がないと、申告後に金銭請求が発生し、実務が長期化する原因になります。
また、作成後に一度も見直されていない遺言も注意が必要です。財産内容や家族関係が変わっていると、結局一部について遺産分割協議が必要になります。
遺言は「書くこと」よりも、「使えるかどうか」が重要です。相続税申告の現場を意識した設計が、残された家族の負担を大きく減らします。
執筆:豊福 陽子(税理士・行政書士)
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