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【相続ブログ】同族会社への貸付金と相続財産

こんにちは。

福岡・佐賀・長崎の相続専門税理士 ソロソロ相続です。

今回のテーマは「同族会社への貸付金と相続財産」です。


 

相続税評価において、同族法人に対する貸付金がゼロ評価されるのは、回収が不可能または著しく困難であると客観的に認められる場合に限られ、実務上その認定は非常に厳しいとされています。財産評価基本通達205によれば、「著しく困難」とは単なる経営不振では足りず、回収不能が確実であることが求められます。


 

裁判例でも、ゼロ評価が否定された事例が多数あります。

たとえば、福岡地裁平成28年判決では、赤字でも継続的に事業を行い売上が立っていたことから、経営破綻とは認められず元本で評価されました。平成29年裁決では、売上があったうえに貸付は無利息かつ返済期限なしであったことから、急な返済の必要がないとされ、回収不能とは判断されませんでした。函館地裁令和元年判決でも、協同組合が解散前に事業を継続していたことから、ゼロ評価は否定されています。


 

一方、ゼロ評価が認められた例もあります。

平成24年判決では、債務者が資産を一切保有しておらず著しい債務超過で、返済原資が皆無と判断されたためゼロ評価とされました。平成19年判決では、経常的収入があっても返済に長期間を要する状態で返済能力が否定され、ゼロ評価とされています。さらに、平成20年裁決では、債権放棄の客観的証拠がなく、貸付金が相続財産と認定されたため、評価をゼロとするには確実な債務免除が必要とされました。


 

これらの事例から、ゼロ評価の適用には形式的な要件以上に、事実に基づく厳格な審査がなされており、形式的な赤字や同族性のみでは認められないことが分かります。債務免除の証拠や資産状況など、明確かつ客観的な証拠が求められます。


 

執筆:豊福 陽子(税理士・行政書士)


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